デニムとエンジニアブーツ
私はバスケ部に入っていて、ハルは軽音部。部活動はだいたい6時くらいまであってそれから帰る生徒がほとんど。
その日はそのままハルとは話すことなく学校が終わった。
ハルとあんまり話せなかったななんて思いながら通学路を歩いた。
次の日、ハルとはまた話せなかった。
彼のまわりには友達がいて、私のまわりにも友達がいる。なかなかそんな状況で用もないのに話には行けない。
まぁ私の意気地がないだけだけどね。
部活が終わり教室に戻るとギターの音が聞こえた。
ドアを開けるとハルが私の席に座ってギターを弾いていた。
「ハル?」
呼び掛けると少しビクッとして振り返った。
「びっくりしたーお前、足音聞こえへんかったで。」
「ハルがギター弾いてたからでしょ
それよりハルなんで残ってるの?
まだ帰らないの?」
帰る支度をしながら話しかけると、ギター練習しとったからと言ってまたギターを弾きはじめた。
こうしてハルが教室でギターを練習していることは時々だけど前からあった。
私が毎日部活終わりの教室のドアを開けるのをドキドキしているのはみんなには内緒。
「お前、今日ショートパンツやねんな」
ハルが私のショートパンツを見つめながら言う。
「うん、私の定番アイテムだからねー」
ハルがショートパンツのが好きって言ったからとさすがに言えない。