デニムとエンジニアブーツ
「お前、俺がなんで放課後ここにいるかわかる?」
ポロンとギターをならしながらハルが言った。
「ギターの練習でしょ?」
そう答えるとちハルはがうわと少し笑った。
「お前のこと待ってんねん。
今日話せんかったなとか最近あんまり話してないなとか、要はお前と話したくてわざわざここでギターの練習口実に待ってんねん。」
そんくらい気付けやと言うハルは真っ赤になっていた。
「え‥ハル私のこと待っててくれてたの?」
そんなのこれっぽっちも考えたことなかった。
「お前はどうか知らんけど俺はお前のこといいなって思ってるし、もっと話したいとも思うし‥」
だからそのとかもごもご言ってるハルはいつものハルとちがって少し可笑しかった。
「私もハルと話したかったよ。
ハル今日いないかなとかドキドキしながら毎日ドア開けてたんだから。」
そしてそれにと続けた。
「私もハルのこといいなって思ってるよ」
それを聞いたハルはさらに赤くなってなんやねんと笑った。
「なら毎日待っときゃよかったー
うざいとか思われへんかなとか考えて我慢して間あけたりしてたのにー」
ハルはかぶっていたフードを深くかぶり直し目元を隠した。
「そんなこと考えてたんだ、全然気付かなかったよ。」