17センチの片想い。
Theater 0
空の上のような舞台の上。
彼女は太陽のような笑顔を振り撒きながら、空の舞台で踊る。
彼女を包んで輝かせる無数のペンライト、今の俺はそのペンライトのひとつでしかない。
一緒に受けた授業や帰り道、
当たり前のように過ごした日々が、
ひどく輝いて見えて、当たり前ではなかったと、
毎日が特別だったんだと知る。
友達の夢が叶ったんだと、嬉しく思っていたはずなのに。
友達の晴れ舞台を見て、嬉しいはずなのに、大好きなライブで楽しいはずなのに、
どうしてこんなに悲しいんだろう。
――――彼女の事が好きだったから。
今更気付いてももう遅い。
太陽に手を伸ばしても届きはしない。
それならば、せめて。
顔をあげて強くペンライトを握りしめる。
せめて俺が、彼女を1番に応援できる人であれるようにと。
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