17センチの片想い。
Theater 1

ただのファン、の私



コンビニに並んだ無数の雑誌の中から、迷わずにその一冊を手に取る。

待ちに待った発売日、ようやくこの表紙を生で拝める日が来たのだ。



「可愛いすぎるっ…!」



流れるような長い黒髪に、くるんと巻かれて綺麗に整った前髪。
二重の瞳は少しだけ細く緩められて、唇と一緒に笑顔を作っている。
振り向き美人とはまさにこの事…!


昼休みに飲む紙パックのミルクティーと一緒にレジで会計を済ませて、
スクールバッグの中に丁寧に大切に仕舞った。


学校に行く為に電車に乗れば、
吊り広告で大好きな彼女達が愛らしく微笑んでいる。

いいなあ、あれ、欲しいなあ…

なんて思いながら見つめていれば学校の最寄駅で降りそこねかけて、慌てて電車を降りる。


危ない、危ない。


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