流浪少女
3
とても暗い、闇の中。
気が付くと、そこに居た。
屋敷の二階から落ちたのだから、ここは一階。
辺りを見回してみるが、微かな明かりさえも見当たらない。
上を見上げると、そこには“落ちた穴”があるはずなのだが、やはり暗くて見えない。
ペンライトではなく、カンテラを買ってもらうべきか……
しかし、先程のように落としてしまっては同じ事だな。
少女は、立ち上がろうとして右足首に響く激痛に蹲った。
「痛……っ」
どうやら、落ちた時に挫いてしまったようだ。
参ったな。
この様な所に一人とは。
少女が落ちたのは、ここに人の声が聞こえた気がしたからだった。
もう一度辺りを見回し、深呼吸をする。
「誰か、いないのか?」
呼び掛けて、反応を待ってみる。
辺りは静まり返っていて、風の音や虫の音色さえも聞こえない。
反応は、返っては来なかった。
やはり落ちる前に聞こえたのは、幻聴だったのか。
溜め息をついて、諦めようとしたその時、微かに女性の声が聞こえた。
「誰か居るのか!?」
「……」
やはり、誰か居る。
声が小さくて、何を言っているかまでは聞き取れないが、こちらの言葉にはちゃんと返してくれているようだった。
「すまないが、明かりがあったら付けてはもらえないだろうか?」
「……」
微かに衣擦れの音がして、カチっという音と共に周囲が明るくなった。
「うわ」
暗闇に目が慣れてしまっていたらしく、眩しさで思わず片腕で両目を庇う。
どうにか目を開けられるようになると、すぐ目の前に人の足があるのに気が付いた。
白くて細くて、形の整った足だ。
上へ辿って行くと―…
「眩しい!」
気が付くと、そこに居た。
屋敷の二階から落ちたのだから、ここは一階。
辺りを見回してみるが、微かな明かりさえも見当たらない。
上を見上げると、そこには“落ちた穴”があるはずなのだが、やはり暗くて見えない。
ペンライトではなく、カンテラを買ってもらうべきか……
しかし、先程のように落としてしまっては同じ事だな。
少女は、立ち上がろうとして右足首に響く激痛に蹲った。
「痛……っ」
どうやら、落ちた時に挫いてしまったようだ。
参ったな。
この様な所に一人とは。
少女が落ちたのは、ここに人の声が聞こえた気がしたからだった。
もう一度辺りを見回し、深呼吸をする。
「誰か、いないのか?」
呼び掛けて、反応を待ってみる。
辺りは静まり返っていて、風の音や虫の音色さえも聞こえない。
反応は、返っては来なかった。
やはり落ちる前に聞こえたのは、幻聴だったのか。
溜め息をついて、諦めようとしたその時、微かに女性の声が聞こえた。
「誰か居るのか!?」
「……」
やはり、誰か居る。
声が小さくて、何を言っているかまでは聞き取れないが、こちらの言葉にはちゃんと返してくれているようだった。
「すまないが、明かりがあったら付けてはもらえないだろうか?」
「……」
微かに衣擦れの音がして、カチっという音と共に周囲が明るくなった。
「うわ」
暗闇に目が慣れてしまっていたらしく、眩しさで思わず片腕で両目を庇う。
どうにか目を開けられるようになると、すぐ目の前に人の足があるのに気が付いた。
白くて細くて、形の整った足だ。
上へ辿って行くと―…
「眩しい!」