流浪少女
今より少し昔の話――
心を持つロボットは、若者に聞きました。
『何故、私にだけ心と感情があるのでしょう?
何故、私は欠陥品なのに、この屋敷に居る事が出来るのでしょう?』
若者は言いました。
『物事には、必ず理由がある。
いつか、その答えを探す旅に出ると良い。
欠陥品なのに屋敷に居られる理由は―…
それは、私がユキを気に入ってるからだ』
少し照れたように言う若者に、ロボットは嬉しそうに微笑んだのでした。
それは、今より少し昔の話。
今ではもう戻らない、大事な大事な昔の記憶――