野良猫みたいな男 ■
「朝子。いったいいつからなんだ?
そんなに、俺はーー頼りないのか?俺じゃ不満なのか?」
「だからー違うって。
あの人は全然名前も知らないし、
写真をプリントしてあげているだけっ」
「--行きずりの人と?!」
呆れて、言葉が出ない。
驚いたように目を見張る大輔に私はいら立ちを覚えた。
「あのね。大輔ーー私はそんな女に見えるの?」
いい加減にして欲しい。
はぁ。と盛大にため息を吐き出した。
「ーー取り込み中?」
不意にリビングから二人に声がかかる。
私と大輔は
その声の主に振り向いた。
その声の主は、ふわぁと一つ大きな欠伸をして
「あ。ゴメン。気にせず続けたら?」
と、赤いメッシュの入った髪の毛をかきあげて詰まらなさそうに
もう一度、欠伸をした。
その態度に大輔は気に入らなかったらしい。
「おいっ。お前!朝子のなんなんだよっ!!」
「ちょっと、大輔!」
食ってかかりそうな、大輔を軽く制するが
彼は、軽く首をかしげて、
「・・・朝子ってダレ?」
と、眉をひそめた。