野良猫みたいな男 ■
一瞬、間が開いて大輔の叫び声が響く。
「はぁーー?!!」
「あっ。私!私が、朝子っ。
ちょっと、あなたも説明してよっ。
私、あなたと浮気を疑われてるのよっ。」
あわてて私が、自己紹介する。
そうだ、
この人にちゃんと説明してもらったら、
誤解も解けるわっ。
「へーー。意外と古風な名前だったんだね。
で?お前は・・アサコの恋人?」
彼はじぃっと大輔を見つめる。
相変わらずソファーにごろんとして別に焦る様子もなく
くつろいでいる。
大輔も彼を キッと 睨み返した。
「そうだよ。
で?お前こそなんだよ。」
「オレ?
----うぅーーん?
アサコの猫?」
んーーーっと背伸びをしながら彼は
ソファーの上で寝返りを打った。
大輔には不信感だらけで
そんな冗談は通用するはずはない。
そもそも、私の言葉も届いていないのにっ。