野良猫みたいな男 ■
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「同棲とか・・・そんな甘いのじゃないしっ!!」
私は思わず、ロッカーに八つ当たりして、
がっちゃんとドアを閉める。
夕べ、シチューを食べた後、
ナギサは自然にくつろぎ、
さも、当たり前のごとく、シャワーをかり、
部屋に置いてあった大輔の服を借りて、
「じゃ、寝るから。」
といって、私のベッドで寝ようとするから、
「ちょっと待ってよ。あなたは、ソファーで寝てよっ」
あわてて、自分のベッドを死守したのだ。
そもそも、
なんでソファーに寝かせちゃったんだろっ。
同棲とかじゃなくて、
勝手に、居候されてる感じ。
今朝も、勝手にコーヒー入れてるしっ
「--もぉっ。」
ぐっと力をいれて、鏡を見る。
「いらだってるわね~。
彼氏と喧嘩~?」
クスクス笑いながら、美香さんが入ってきた。
「美香さん!」