野良猫みたいな男 ■
店内に戻ると、
心地よいオルゴールのBGMが流れていて、
ふんわりとコーヒーのする。
「おー。朝子ちゃんおはよう。
コーヒー入れたけど、飲む?」
「武井さん。ダメですよ。お客様用ですよ!」
「一杯だけ。内緒な?」
にかっと笑って見せた武井さんは
カップになみなみとコーヒーを注いで、
いそいそと裏にもどる。
通常の営業業務を過ごしていると、
あっという間に休憩時間。
お昼の休憩に
大輔からのメールが入っていないか携帯を見て、
落胆する。
はぁ。
やっぱりこのまま自然消滅かな…
携帯電話をそっと机に置こうとしたら、
~~♪♪
メール受信音。
ーー!
急いで携帯を操作する。
受信はもちろん、『大輔』
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今夜、いつものバーで話そう。
7時ごろ待ってる。
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用件だけの
シンプルなメールに少し戸惑う。