野良猫みたいな男 ■
こっ…
これは予想外ーーーーっ!!
私は思わず携帯を落としそうになる。
「あっ。あのっーーーナギサさんの携帯・・・」
『あら、そうよ・・・?
あぁ。
もしかして、新しい彼女さん?』
「へっ?」
『やだぁ。大丈夫よ!!
愛人とか元カノとかじゃないしぃ。
ナギサはちょうど仕事中よ!
ありがとうね。
貴女のおかげで昨日と今日は真面目に仕事に来てるのよぉ。』
その女性は楽しそうに電話口で
笑い声をあげた。
私は何の話かさっぱりだった。
「あのぅ。私、彼女なんかじゃ・・・」
『やだぁ。照れてるの?
大丈夫よ!反対なんてしないから!!
あ。
ちょっとまっててぇ。』
ナギサーーっ
と、遠くでナギサを呼ぶ声が聞こえた。
しばらくガサゴソと
雑音が聞こえたが、
すぐに
『なに?』
と、ナギサのちょっと不機嫌そうな声が聞こえた。