野良猫みたいな男 ■

こっ…
これは予想外ーーーーっ!!



私は思わず携帯を落としそうになる。


「あっ。あのっーーーナギサさんの携帯・・・」

『あら、そうよ・・・?

 あぁ。
 もしかして、新しい彼女さん?』

「へっ?」

『やだぁ。大丈夫よ!!
 愛人とか元カノとかじゃないしぃ。

 ナギサはちょうど仕事中よ!
 
 ありがとうね。
 貴女のおかげで昨日と今日は真面目に仕事に来てるのよぉ。』


その女性は楽しそうに電話口で
笑い声をあげた。


私は何の話かさっぱりだった。


「あのぅ。私、彼女なんかじゃ・・・」

『やだぁ。照れてるの?
 大丈夫よ!反対なんてしないから!!

 あ。
 ちょっとまっててぇ。』

ナギサーーっ
と、遠くでナギサを呼ぶ声が聞こえた。

しばらくガサゴソと
雑音が聞こえたが、
すぐに

『なに?』

と、ナギサのちょっと不機嫌そうな声が聞こえた。

< 43 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop