野良猫みたいな男 ■

仁王立ちの美人さん。

ばっちりとビジネススーツに身を包み、
すらっと長い脚がタイトスカートから伸びている。


「げっ。」

「ナギサ・・・・。あんた、また逃げたわねぇ…」

美人が睨むと怖い。
私はそのすごい迫力に
思わず後ろに下がった。


「やぁ、みーちゃん。
 そんなに怒ると美人が台無しだよ。」

実さんはにこにこしながら
その美人さんに話しかける。

ダレ??
私は突然の美人の登場に身をすくめた。


「実ちゃんっ。
 ナギサったら、また仕事を抜け出したのよぅ!!!
 今日は商談がないからまだよかったけどーーー



 あら…はじめまして?
 どちら様?」

すごい剣幕で怒りを実さんにぶちまけた美人さんは
私に気が付くと、
笑顔で話しかけた。

女性の私が見ても見とれるぐらいの美人さん。
ふんわりと巻いた髪が
よく似合って華やかだなぁ。

なんて、見とれてしまう。

「あっ。
 あのーーー」

「ミユキ。アサコだよ。」

私が名乗るより早く、
ナギサがつまらなさそうにその女性に私を紹介する。

「!!!まぁ。

 貴方が「アサコ」?!
 初めまして!!

 ごめんなさいね。挨拶が遅くなって。」

「えっ!?」

仁王立ちの美人は、ずかずかと部屋に入り込み
私の手を取って
ぎゅーっと握手をしながらぶんぶんと振り回した。

なんか、
騒がしいひとだなぁ。



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