野良猫みたいな男 ■
「私は、ナギサの秘書兼マネージャーの
加賀 深雪(かが みゆき)と言います。
よかったわぁ。
こんなに良識ありそうなかわいらしい子が
ナギサの彼女で!
変人な男だけど、
何かされたら言って!私はあなたの味方だからッ。」
「はぁ。あっあのーーー」
私は彼女なんかじゃないーーって言おうとしたら、
それより先にナギサが口をはさんだの。
「ミユキ。
アサコを離してあげて。
別に、アサコは彼女じゃないし。」
「はっ?」
「へっ?」
個室に深雪さんと実さんの声が響いた。
私は、うなずいてナギサの彼女ではないことを静かにアピールする。
もう、
これ以上誤解を与えたくないし。
「ほっ。本当?朝子ちゃん・・・」
なぜか心配そうに
実さんが私の顔を覗き込む。
深雪さんもなんだか、
困ったように私を見る。
「はっ。はい。
私は別にナギサとお付き合いしているわけじゃありませんーーー。」
「そうだよ。
俺が腹すいたからアサコを一緒に連れてきただけ。」
面倒そうにナギサが
ひらりと手の平をひらりとさせる。
ちょっと
面倒なのはこっちなんだけど。