野良猫みたいな男 ■
***


「あれ?キミはーーー」


「あっ!!」


赤ちゃんの写真を撮りに来たのは
あの、大輔の先輩の…


えっと・・・


「佐々木さん!!?」

そうだ。
予約表の名前を思い出しながら言った。


彼の後ろの奥様が赤ちゃんを抱っこしながら少し怪訝そうに
首をかしげた。

私もあわてて頭を下げる。


「あー、ほら、会社の同僚の彼女さん。」

「へぇ、はじめまして。
 佐々木の妻ですーーー」


・・・・あれ?

でも…


私は、うっすら覚えている大輔と佐々木さんの会話で、
『佐々木さんは独り暮らしでーー』
みたいな話をしてなかったっけ…

連れ込む相手なんかいないよって佐々木さんが言ってたような…



ーーーー


・・・・・・・・・うん。

人の家庭の事情には突っ込まないようにしよう。

そう思って、
いつも通りに業務を進めることに決めた。


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