野良猫みたいな男 ■
「そして、こちらがーーーー」
いつものように
写真の様式を説明してから、
仕上がり日などを話し合う。
途中、
お茶を差し出している間に、
疲れたのだろう
ぐっすりと母の腕の中で眠る
赤ちゃんを見て、
純粋に、かわいらしいなぁなんて思っちゃう。
奥様が
奥のキッズルームで赤ちゃんの世話を
すると言って、席を外した。
「かわいらしいですねぇ」
やっぱり、
赤ちゃんって可愛らしくて、
ほんわかしちゃう。
「…んぁ?」
聞いてたのか聞いてないのか、
佐々木さんが微妙に返事を返す。
「あの…君さ。」
「?なんでしょう?」
「余計なお世話だけど、
ちゃんと、した方がいいよ?」
困ったように佐々木さんが笑った。
何のことかわからなくて、
私も曖昧に笑う。
「何が…?でしょう。。。」