野良猫みたいな男 ■

案の定
電話は繋がらなかったけど、

きっと着信をみて、
折り返してくれるはず。



私は、
そのあとの仕事は仕事にならなくて、

何度もミスをしながら

どうにか
仕事を乗り切った。



何度も、
何度も、



何度も、

ポケットに忍ばせた
携帯電話を見たが

結局
私の仕事が終わるまで


連絡もメールも


何もなく、
ただただ
沈黙した携帯電話に

はぁ

とため息を吐くだけだった。



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