野良猫みたいな男 ■
ふわぁ。と大きな欠伸を一つしながら、
ペットボトルを開けて、
そのまま飲む。
ーーあ。
ちょっと、そのまま飲んだら…
私が飲めなくなるじゃない・・・
「--?何?」
私の視線に気が付いたのか、
彼は軽く、首をかしげた。
「え?--何もっ。
あのっ。
写真は、普通のサイズでいい?」
あわてて、パソコンを操作して、メモリーを刺す。
「--ん?
サイズとかあるの?」
「え?--そりゃぁ。」
「大きいのもできるの?」
「A4サイズでよければ・・・」
私は、ひらりと紙を見せる。
彼は私を見たまま、
またペットボトルからそのまま水を飲んだ。
「じゃぁ、ソレ。」
つまらなさそうに、
言うと、スタスタとリビングに行って、
どかっとテレビの前に座った。
ーー無愛想なひと。
なんだか、変な人だなと思いながら私は
その猫と彼の写真をプリントし始めた。