野良猫みたいな男 ■

でも、
私は大輔の電話を待っているわけだし

でも鍵は返してほしいし。


どうしよう…

少し迷っていると
ナギサが

『なぁ、だからこの間の店に来て。
 おれ腹減ったから、そこで飯。

 じゃーな。』

「ちょっ!!」


きられたーーー。


なんなのこの男は。

人の返事も聞かずに。


はぁ。とため息が漏れた。

でも、
家で一人で悶々と電話を待つより
いいかもしれない。


私はとりあえず
着替えて
少しはあの料亭に見合うような
スーツに身を包んだ。


前回のおいしかった料理が
思わず頭を駆け巡る。



そう、
あの料理を食べたかっただけなんだからね!!


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