野良猫みたいな男 ■
おいしい!!
「なにっこのビール。おいしー」
テンションあがるーーっ。
「そう?よかったな。
どっかの県から取り寄せてる・・・なんだっけ、
なにかのフルーツを混ぜているビールだっけ?」
ナギサからの情報は
全然役に立たないものだったけど、
おいしさは絶品。
口当たりが違う。
後味も苦みの跡にほんのり甘い香りが鼻をくすぐる。
「お気に召したようで光栄です。」
すーーっとふすまが開いて、
ニコニコとした
実さんが顔をのぞかせた。
今日もおいしそうな食事が盆に載せられていた。
おいしそうな焼き魚と目があって
思わず顔がほころんじゃう。
自分じゃぁ
魚なんてめったに焼かないもんねぇ~~
「あ。ナギサ。
飲みすぎだから!」
実さんがあわてて
ナギサを制するが、
ナギサはめんどくさそうに手をひらりと払う。
「・・・いいじゃん?今日はもう仕事やってきたし。」
そんなことを言いながら
ナギサは追加でビールを注文した。
もちろん
私の分も一緒に。