野良猫みたいな男 ■
「そっか。
じゃぁ、聞いてもいい?」
『何?』
お酒も適度に入っていて
私は聞かずにはいられなかった。
だって、
このもやもやのまま
過ごしたくないし。
「…私は、大輔の何?」
『・・・・・・・は?』
質問の意味がちょっと抽象的すぎたのか
大輔は困ったように返事をした。
「だから、
大輔の何?
彼女?キープ?セフレ?
・・・・・・・愛人?」
『なっ?何言ってるんだよ。朝子?』
思いっきり
声を裏返して
大輔は電話口であわてている。
なによ。
なんで即答してくれないわけ?
思わず
握りしめる手に
力が入る。
『朝子は大切な人だよ?』
少し間が開いて、
大輔は少し小声になりながらつぶやいた。
多分、ちょっと照れたような大輔の顔しているんだろうなぁ
なんて想像して、
ふっと思わず笑みがこぼれた。
「・・・・ねぇ。
今日、佐々木さんが来たの」
『---えぇ?』