野良猫みたいな男 ■
なんだか気まずいー
だって、知らない人と一つ屋根の下・・・
パソコンを操作と言っても、印刷のボタンを押すだけだから、
後は、プリンターに頑張ってもらうだけ。
ふぅ。
何か飲もう。
そう思って、寝室を出て、キッチンに向かうと
リビングのソファーに持たれてすやすや眠る彼がいたーー
「--え?」
ふつう・・・寝る?!
驚いて、思わずまじまじと彼を見た。
シャツもネクタイもそのまま
あーぁ。しわになっちゃうよ。
ベランダの開け放たれた窓から
心地よい風がふんわりと
彼の赤い髪を撫でて、
西日を受けてキラリと光る。
気持ちよさそうに寝る彼をみて、
思わず苦笑した。
「ホント・・
『猫』みたい。」
静かな部屋に、つけっぱなしのテレビの音と、
プリンターの音がやけに大きく響いた。