野良猫みたいな男 ■

なんだか気まずいー

だって、知らない人と一つ屋根の下・・・

パソコンを操作と言っても、印刷のボタンを押すだけだから、
後は、プリンターに頑張ってもらうだけ。


ふぅ。


何か飲もう。


そう思って、寝室を出て、キッチンに向かうと
リビングのソファーに持たれてすやすや眠る彼がいたーー



「--え?」


ふつう・・・寝る?!




驚いて、思わずまじまじと彼を見た。

シャツもネクタイもそのまま
あーぁ。しわになっちゃうよ。



ベランダの開け放たれた窓から
心地よい風がふんわりと
彼の赤い髪を撫でて、
西日を受けてキラリと光る。


気持ちよさそうに寝る彼をみて、
思わず苦笑した。



「ホント・・
 『猫』みたい。」



静かな部屋に、つけっぱなしのテレビの音と、
プリンターの音がやけに大きく響いた。



< 8 / 99 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop