野良猫みたいな男 ■

会計を済ませて
外に出ると
生暖かい風にむわっと包まれる。


でも、
なんだか気分は少し晴れたみたい。



大輔とよく歩いた歩道は
なんだか

不自然な足取りになっちゃうけど

うん。


大丈夫。


ふーーっと息を吐く。


「…送ってく。」

ナギサがポンっと頭をたたく。


なんだか、
無性に泣きそうになってしまう。


「ありがと」




無言で家路につく。



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