野良猫みたいな男 ■
月明かりも結構明るい。
街灯の光と混ざって
足元を照らす。
「ねぇ。教えてくれる気になった?」
「何が?」
「ナギサの正体」
「何それ?」
ふと笑ったナギサにまた見とれてしまった。
ホント、変な男だけど
目が離せなくなる魅力があると思うのよね。
「だって、全然何をしているか教えてくれないし。」
「あぁ、オレ?
そんなに気になるのか。そんなこと。」
どうでもよさそうに
やれやれとため息をつく。
いやいや、
ふつう気になるでしょ。
「そうだなぁーーモデルとか?
あっ!ソレとも人に言えない仕事?!」
「だから・・・
あーーミユキから名刺もらったんじゃないのか?」
めんどくさそうに
言い捨てる。
「あっそっか。」
なんで今まで気が付かなかったんだろう。
カバンに突っ込んだ深雪さんの名刺を探す。