野良猫みたいな男 ■
「初めてじゃないから
いいだろ?」
意味ありげに呟いてからナギサは
大きな欠伸をしながら寝室に向かう。
そりゃぁ、
成り行きで何度か泊めたけどーー
でも、
それは不可抗力っていうか。
「っていうか、
ちょっと!ナギサ!
寝るならソファーで寝てよっ!!!」
もーー。
なんなのこの男!!
偉そうで
気分屋でホントにわがままな猫って感じっ。
私はどうにか
ナギサを寝室から追い出して、
はーーっとため息をついた。
一応これでも『女性』なんだけど。
きっとナギサは全然意識なんかしていないんだろうな。
・・・
私って色気がないのかなぁ。
はーもういいや・・・
お酒もぐるぐるとまわって
大輔とダメになったばかりだというのに
なんだか、
悪夢は見なくて済みそう。
そう思いながらゆっくりと
眠りに落ちて行った。