Devoted Love
藤原さんはきょとんとした顔をした。
「んー。それのどこが嫌なやつなの?そう考えちゃうのが普通じゃない?」
当たり前じゃないの?と私と目を合わせた。
私はその目をそらす。
「普通なのかもしれないけど、嫌な奴の否定にはなってないです。」
答えになってないよ・・・
それがもし、私がもし普通だとしても嫌な奴には変わりない。
こんな私、彼どころか誰も好きになってくれない。
「ははっ!結子はそーいう所鋭いよなぁ。」
まいったなぁ、と言う藤原さんに「笑い事じゃなくて、私は真剣なんです。」と伝えた。
ちょっと強く言いすぎたかも・・・
藤原さんは黙ってしまった。
もう藤原さんの方は見れなかった。
ちょっと大きい声を出すと、藤原さんはしゅんとした顔をする。
それはもう、犬の耳が見えるくらい。
お母さんに怒られた子供みたいな顔。
この顔をされると私はもう何も言えなくなる。