Devoted Love
少しだけ気まずい空気が流れる。
怒ってるわけじゃないけど、最近の私は少しイライラしてる。
「まぁでもね、結子がそういう子で良かったよ。そうやって毎日イライラしたり、自分で悩んだりした方がよっぽど人間味があっていいと思うよー?」
そういえば、藤原さんが怒ってる所見た事ない。
どんなにミスしても、藤原さんは怒った事ない。
「藤原さんは怒らない人なんですか?私がどんなに仕事できなくても、藤原さん怒った事ないですよね」
私も、こういう人になれたらなぁ・・・
自分の感情を全面的に出して、怒ったり泣いたり。
つくづく、自分はガキだと思う。
「怒るよー?怒らない人なんて居ないだろ」
藤原さんはまた笑いながら言った。
私は、今度は何も言わなかった。
「ただ、結子は頑張ってると思うよ。俺が頼んだ事に期待以上に返してくれてるよ。だからもーちょっと自分に自信を持つべきだな!」
私の頭をぐしゃぐしゃにしながら、撫でてるつもりなのか乱暴にかき乱しながらそう言う藤原さんは、とても可愛い笑顔だった。
なにこれずるい・・・
好きとかそーいうんじゃなくても、心臓がぎゅーってなる。
私は下を向く事しか出来なかった。