Devoted Love
仕事が終わって、ケータイを見ると彼からのメールと着信が1件ずつ。
『時間空いたら電話する!その時に話すわ』
というメールの1時間後、今から2時間も前の着信。
「メール着てた?」
藤原さんが荷物をまとめながら訊ねた。
「電話もきてました。」
「かけてみなよ。」
不在着信の一覧の、彼の名前を見つめて戸惑った。
きっと、彼にとっていい話では無いと思った。
もし、落ち込んでいたら・・・
もし、泣いていたら・・・
私はなんて声をかけたらいい?
「いえ、家に帰ってからにします。」
「そう」
私はケータイの画面を消して、荷物をまとめた。
朝、藤原さんが食べ散らかしたお菓子のゴミを片付ける。
藤原さんは悪びれた様子もなく、「結子はいい嫁さんになりそうだなぁ」と笑って見て居た。
いつもの光景で、また少し落ち着いた。