Devoted Love
「もしもーし!おつかれ!終わった?」
泣いてる・・・はずがなかった。
「終わったよ、俊さんもお疲れ様。」
「ありがとう!今、大丈夫?外?」
全然、いつも通りの声だった。
「あ、うん、今帰ってるの。大丈夫だよ、何があったの?」
だから私もいつも通りに出来る。
大丈夫、大丈夫。
「いやぁー・・・あの、お前に言われて、俺告ったんだけどさ。」
「うん・・・」
すれ違う人の声が大きく聞こえた。
車の走る音が大きく聞こえた。
風の音が大きく聞こえた。
これはきっと、聞くなって事だろうか。
「元カレが忘れられないんだって。去年亡くなったらしい。」
「え・・・」
まさか。
そんなドラマみたいな事、あるわけないじゃん。
最初はそう思った。