Devoted Love


「お久しぶりです!」

彼もケータイを耳に当てたまま、答えてくれた。



そこでやっと電話を切る。


何も言われてないけど、彼はタバコを吸いながら自分の車に乗った。
私も何も言わずに乗り込んだ。



「どこ行くの?」

私はケータイをマナーモードに切り替えた。

「私充電切れそう、充電器ある?」

「ない、家!寄る?」


私は


「うん、行く。」


迷わずそう答えた。
きっといつもの私なら、こう答えるもん。

誘ったのは彼だし、今日くらい許してね・・・高橋さん。



「先に飯なー。焼き鳥でも食いに行くか!」

「やったー!」

「お前呑んでいーよ」

「ほんとに?!」



そんな、普通の友達みたいな会話。
いや、友達なんだけど・・・


そう自分で考えて、ちょっとへこむ。



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