Devoted Love


車を5分程走らせてすぐの焼き鳥屋さんに入った。
テーブル席に、向かい合って座る。

「何飲むー?」

「可愛いやつ。」


彼は笑いながらメニューを開いた。

「お飲み物はお決まりですか?」

と、店員さんが来た。


「テキトーに頼んでいい?」


ちらっと私の方をメガネの奥の彼の目が覗いた。

「うん。」

私も一緒になってメニューを見ながら、お酒を選ぶ。



「もも、皮、砂肝、ぼんじり全部タレで。」

「え?!」

「なんだよ。」

「焼き鳥は塩なの!」


私は自分の飲む物も決まってないのに、口を挟む。

「はぁー?タレだから!お前何食うの?」

「砂肝とぼんじり」

「オヤジ・・・」


彼は私に聞こえない様にか、そう呟いたあと
「砂肝とぼんじりは塩も追加で。」と頼んでくれた。



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