Devoted Love
「で、何飲むか決まった?」
彼は私の方をまた覗いた。
「んー・・・」
そしてメニューを閉じた。
「烏龍茶と、生中1つずつ。」
「かしこまりました、少々お待ちくださいませ。」
私が口を開く暇もなく、店員さんは去っていってしまった。
「ちょっと!生中って!」
「なんだよオヤジ。」
「オヤジじゃないし!カクテル選んでたのに!」
甘くて、可愛いやつを選んでたのに・・・
「苦くて飲めなぁーい、とか言うキャラじゃないじゃんお前。」
「そーだけどさっっ!!!」
・・・失敗。
可愛いを作ろうと思っても私には無理だった。
実際、そんなキャラじゃないし。
「お待たせいたしました!生中と烏龍茶です」
店員さんのその言葉と同時に私の前に置かれるジョッキ。
彼はグラスを私の目の前に差し出す。