Devoted Love

佐藤っていうのは、彼のコミュニティの人で
彼とたまたま家が近い人。

「佐藤も来るかなー?会ってみたくねぇ?」

ネットで知り合った人同士が、実際に会うことをおオフ会という。


「会ってみたい!どんな人かなー、イケメンかなっ!」

「おい、イケメンなら目の前にいるだろ!」

「はいはい、早く電話してみてよ」


私は彼を軽くあしらってみせた。

「その前にお前、新幹線の最終調べろよ。」

「え?!今何時?!」


彼に言われてはっとした。
部屋から見える窓の外はもう真っ暗。

「えー・・・」


新幹線の終電は意外と早くて、時計は22時を回っていた。
22時を過ぎると新幹線には到底乗れなくて、鈍行に乗っても終電が終わって途中で降ろされてしまう。

私は彼にそのことを伝えた。

「ごめんなさい・・・」


彼は全然平気な顔をして言った。


< 39 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop