Devoted Love
【着信中 高橋郁美】
パソコンの画面には、そう表示されていた。
一緒に居る事を知られちゃまずいんだ。
佐藤はともかく、私は。
本当に毎日電話してるんだ・・・
私も佐藤も、まだ何も返事してないのに彼は電話に出た。
「本当にそういう関係なんだな、あいつら」
佐藤が小声で私に言った。
そうだね。
私は毎日こういう話を聞いてたけど、本当にそうなんだね。
別にどうでもいい、高橋さんの仕事が終わった時間とか
今日はこういうお客さんが来たんだよ、とか
どうでもいい・・・
それに反応する彼なんか見たくない。
「佐藤、コンビニ行こ。たばこ無くなっちゃったー」
私は自分がここにいることが、高橋さんにバレないように小声で佐藤に言った。
とにかく、ここに居たくなかった。
カバンの中から財布を取り出すついでに、スケジュール帳も一緒に出した。
そこのフリースペースに「コンビニ行ってくるね」とだけ書いて彼に見せた。
彼は頷くだけ。