Devoted Love

ご飯が終わったら、そのまま彼の家。

電話でも特に何をするわけでもなくて、私たちは3人集まっても結局暇で。
彼の家ではまた、あの苦痛を味わうことになった。

彼が高橋さんと電話し出す。
私が息を潜める。


健太郎くんも高橋さんと仲良く話していた。
私は無言で音の出ないケータイとにらめっこ。

そしたら誰からともなく、佐藤も呼ぶという話になった。


こうなる前に、帰ればよかったな。
ってこの前も思った。


佐藤がこっちに向かってる間にも、高橋さんと電話。
彼も笑ってる、健太郎くんも笑ってる。


私は泣くわけにもいかず、テレビの前に置いてあったゲームソフトを手にとった。

あ、このゲーム知ってる。


そう思った時だった。

「あ、そーいえばお前ゲーマーだったっけな」

上から声がした。

「やるか!」


見上げると、彼がにっこり笑って立っている。

今度は私も笑った。

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