Devoted Love

慰めとか励ましとか、そういうのも要らない。

分からないでしょ、私の事なんて。
最初からいちばん近くにいたのは私なのに。

後からひょっこり出てきた、高橋さんに取られちゃうとか。
情けなさすぎるでしょ。

健太郎くんも佐藤だって、同じ。


私がやっと聞けた事だって、すんなり聞けちゃって。
ずるいよ



「あ、私ご飯だから切るね」


聞きたくない。
どーだっていい。

自分で吹っ切れるまで好きでいるって決めたんだから。

諦める為に今、全力で彼の事を好きで居るんだから。


誰も、私の邪魔しないで。






元々、誰かに何かしてもらうのは苦手だった。
私は完璧主義で、何か1つでも崩れるともうどうでもよくなってた。

だから、本当だったら今頃とっくに彼の事は諦めていられた筈なのに。

それが出来なかった。

そのくらい本気だって事でしょう?


だから私は立て直したの。

”吹っ切れるまで、全力で彼の事を好きで居る”

そこに、うまくいく手助けも応援も励ましも要らない。
頑張れって思うなら、そっとしておいてほしい。



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