Devoted Love


それ以降、なんとなく素っ気なくなってしまった電話とメール。
健太郎くんには申し訳ないけど、何も探られたくなくて。

彼とどんな話をして、何で笑って、何をしながら、とか聞かれるのも嫌。
ひとつひとつ、私にとっては大事な事。
教えるなんてもったいないから。



だから、どんな流れとか全然覚えてないけど
仕事の休憩中の電話で健太郎くんが言った。

「お前に言いたい事があるんだけど。」

あんまりちゃんと話も聞いてなくて、きっと愛想笑いでテキトーに合わせてたんだろうけど
だから、急に変わった真剣な声に少しだけドキっとした。

「なに?」

「オフ会前だし、今言う事じゃないかもしれないけど。」


ちょうど2週間後、彼のコミュニティーメンバーを集めたオフ会が予定されていた。
きっとその話をしてたんだと思う。
もちろん高橋さんも来るから、あんまり行きたくない気持ちと、会ってみたい気持ちで複雑だった。


高橋さんは大好きだし、今も私に優しくしてくれてる。
会いたくないって思ったのは、ちょっとだけ嫌な予感がしてたから。

「待って、当てる。」

「え?」


だって、最近なにかおかしい。
何となくだけど、それに気付いて


「付き合ったんでしょ?俊さんと高橋さん。」


見ないフリをしていた。




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