Devoted Love

その後、藤原さんにご飯に誘ってもらったけど断った。

大丈夫だ、しっかり話さなきゃ。
相手は健太郎くんだし、話を聞くだけだし。

大丈夫。



ケータイには、終わったら電話して、とメールが入っていた。
藤原さんと別れて、歩きながら健太郎くんにに電話をかけた。

健太郎くんはすぐに出てくれた。


「あ、もしもし。ごめん、遅くなって。」
「いや、全然。お疲れ」
「うん。ありがとう」


少しの沈黙の後。


「ごめん、好きなんだ。」


健太郎くんは、静かにそう言った。


「最初は、本当にそんなつもりで仲良くなったんじゃないんだけどさ。」


それから淡々と、話しだした。
健太郎くんの最初の話。


「俊ちゃんと仲良くなり始めた最初の頃から、なんとなくだけど結子は俊ちゃんの事が好きなのかなーって思ってたんだ。」


私は頷く事しかできない。


「冗談で俊ちゃんに『結子はお前の事好きだろー』なんて言ってた。」


私の知らないところの、私の話。




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