認めないから!
しかし、次の瞬間。
呆気なく弥生は突き飛ばされていた。
私達の距離は遠い。
だからロコちゃんが何を必死に訴えているのかは分からない。かろうじて表情が読み取れるぐらい。
だけどそんなロコちゃんを弥生は優しい顔で聞いていた。
いつもの鼻の下がのびた表情ではなかった。
「沙羅さん。」
「…分かってる。
でも、コレは逃げじゃない。きちんと言うから。」
でも今は…
今だけは2人の間に入ってはいけない。
そんな気がする。
「行こう、南。」
私は南と共にまた教室へと歩を進めた。
南は何度か振り返ったけれど、私は真っ直ぐ前を向いてただ歩き続けた。