認めないから!
「今日、一緒にいるの見た。」
「お前も南と居ただろ?」
「抱き合ってなんかない。」
「………あぁ。見られてたのか。」
案外あっさり認められてしまった。
「…そんな顔するなよ。
浮気はしねーって言ったろ?
アレは海外流ハグだ。」
阿呆。
ここは日本だ。
「…仕方ねーな。
お前は本当に俺が好きなんだな。」
「調子に乗るな、バカ。」
悔しくて憎まれ口を叩く私を弥生は抱きしめてくれた。
…女慣れしているバカに本当に腹が立つ。
でも、一番腹が立つのはこんなバカに惚れたこと。そしてそのバカに自分の気持ちを読み取られてしまうことだ。