認めないから!


「…でもどうしてロコちゃんが?」




「――あぁ、弥生に渡してくれって頼まれた。
俺、忙しいからって。」




忙しいって…
バイトは終わったはずじゃあ…




「沙羅ちゃん、弥生転校するんだって。
私も昨日聞かされた。
今日はその準備だから忙しいんだって。だから沙羅ちゃん学校終わったら弥生に会って来なよ。」




――あぁ、そういうことだったのか。




「ロコちゃん、違うよ。」




弥生はロコちゃんに最後に嘘を吐いたんだ。




「弥生はもうこの町には居ないよ。」




きっと―いや絶対にもう居ない。
すでに引っ越してしまった後なんだ。
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