認めないから!


2コールで相手は出た。




『…もしもし…沙羅か?』




「………うん。」




相手の電話からは"○○電車が発車します"という機械的な声が聞こえる。


やはり私の推測は間違いでは無かったのだ。




『もう分かってると思うけど、俺転校するんだ。』




「………うん。」




うんしか言えなかった。




『電車が来るまであんまり時間ねぇから言わせてもらうけど、』




弥生はその続きの言葉を言うと電話をすぐに切ってしまった。


そしてかけ直しても二度と通じることは無かった。
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