ヤンキー少女は純情ちゃん!
────ガラッ!
この音に瞬時に反応した雅輝、祥、拓巳。
それを苦笑いで見ている隆斗と目が合った。
「楓おはよー!」
「おーっす!」
「楓ー今日もテンション最悪だなー」
我先にとあいさつをしてくる3人。
拓巳の最後の言葉はいらないと思いつつもめんどくさいから言わないことにした。
「…………はーよ」
するとひゅっ、とあたしの横を何か物体が通り抜けた。
その物体に目を向けると正体はチョーク。
こうなると犯人は1人だ。
「……結城有馬。チョークは投げるな」
イライラしてるのもあり、なぜか担任をフルネームで呼ぶという意味不明なことをしてしまったあたし。
「あ?……てめぇ担任を呼び捨てにするとはいい度胸だな、おい」
「…………」
めんどくさいことになった。
「てめぇ毎日毎日遅刻してんじゃねぇよ!……よっててめぇは今日1日俺のパシリだ」
「………は?」
………パシリ?
「文句あんのか?」
「……いや、」
あるよ!ありますともー!
なぜパシリなんだ……
テンションだだ下がりのあたしはとぼとぼと自席に着いた。
「……楓どんまい」
隆斗の声も聞こえないくらいテンションは下がっていた。