ヤンキー少女は純情ちゃん!



───────……



「くっそー。あのくそ教師。本当にあたしをパシリに使いやがって」


あたしは重たいノートの山を抱え、ノロノロ廊下を歩いていた。


さかのぼること10分前。


────…


「真田~。お前、これ職員室の俺の机に置いといてくれ」


担任に呼び出されたと思えばまさかの荷物運び。


「はあ?……自分で「今日1日は俺のパシリ。だろ?真田?」」


本気だったのか、この野郎…っ。


「………はぁ…分かったよ。やればいいんだろ。やれば」


「光栄だろ?……まあがんばれよー」


そう言い、ひらひら手を振ってどこかに行った担任。


「……なにが“光栄だろ?”だ。アホ教師」


ぽつりと呟いた言葉も誰もいない廊下には無駄に大きな声に聞こえた。



とまあ、こんな感じなんだけど。


これがまたノートが重いのよ。


「……腕千切れる…」


あのくそ教師め!いつかやり返してやる。


前も見えないから右に行ったり、左に行ったりフラフラしてると何かにぶつかった。



その拍子にばらまかれたノートたち。


……あーあ。

拾うのめんどくさいのに……



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