ヤンキー少女は純情ちゃん!
「……隆斗。心臓止まるかと思った」
「わり」
全然悪いとは思っていない態度の隆斗はいつになく上機嫌だ。
「隆斗なんかあった?すっげぇ機嫌良いけど」
「ん?だって俺、彼女出来た♪」
あたしに向けてピースをしている隆斗は照れたような嬉しそうな顔をしていた。
「良かったじゃん。……びっくりしたけど、おめでとう」
「さんきゅ♪」
雅輝まではいかなくてもいつもより饒舌な隆斗は新鮮でおもしろい。
「…ま、俺のことはいいとして、慎弥さんは楓のこと気に入ってると俺は思うんだよね」
「ないな」
かぶせ気味に発した否定の言葉。