「1/4の奇跡」左側の君に【完】
●高校2年
親友
校舎2階の廊下、
お弁当を持ち、壁に寄りかかって、
隣のクラスの莉子(りこ)を待った。
昨日まで夏服だったから、
久しぶりのリボンとジャケットがなんだか気になる。
「花音(かのん)暑くない?」
隣の教室から出てきた莉子は、ジャケットを脱いでいた。
「あ、待って、私も脱いでくる」
私はお弁当を莉子に預け、
ジャケットを脱いで、教室に戻り、
自分の椅子にかけた。
ふと黒板を見ると
「5時間目、席替えします!」
と書いてあった。
席替え・・やっとだ。
早く席替えしたかったんだ。
ほんとやだ、この一番前の席。
教卓目の前だし。
次は絶対に後ろがいい。
そんなことを考えながら、
莉子の元へと戻った。
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