「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「コース?」
駅前のショッピングモール内のフードコート。
拓人はコーヒーを持って首を傾げた。
「希望コースを今週中に提出じゃん。
拓人は、どのコースを希望するのかなって・・」
私は残り少ないコーヒーを飲みきった。
「俺は、総合」
拓人は総合進学コースか・・・
私は、空のカップをテーブルに置いてため息をついた。
「私も総合にしょうかな・・・」
拓人はテーブルの上にコーヒーを置いた。
「花音は理数なんじゃねーの?
天文なら、理数だろ」
拓人は椅子の背にドカっともたれた。
「だって理数にしたら、拓人と離れちゃうじゃん。
理数だけ校舎も違うし・・
離れたくない。
総合だったら、クラス違っても、
同じ校舎だし、同じ階だし・・」
「そんなことで?」
拓人は体を起こして、真剣な表情で私を見つめた。
「お前はそんな理由で、自分のやりたいことを変えんの?」