「1/4の奇跡」左側の君に【完】
呼んでも振り向かない拓人を追いかけて、
改札手前で、腕を掴んだ。
「ばっ!!ばーーーーーか!!!!」
私は思いっきり、拓人を睨んで叫んだ。
そして、グイグイと腕を引っ張って、
元の場所まで連れ戻した。
「拓人のバカ!!!
気がつかなくてごめんねって意味だ!!
勘違いすんな!ばーーーーーーか!!!」
私は、拓人に抱きついた。
「離れるわけないじゃん・・・
言ったじゃん・・どんな体の拓人だって、
私の気持ちは変わらないって。
言ったじゃん・・・ばか」
拓人は紙袋を落とした。
そして、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「俺・・・
本当は、
怖いんだ・・・
音がなくなる日が、
怖いんだ・・・・・」