「1/4の奇跡」左側の君に【完】
抱きしめた自分よりもずっと大きな体の拓人が、
今日は小さく震えているように感じた。
私は、背中を優しく撫でた。
「情けねーな・・・俺」
拓人の声は、絞り出すような小さな声だった。
私は拓人の胸の中で首を振った。
「そんなことない・・そんなことないって」
「やめちゃえよ・・こんなしょぼい男」
私は背中をボンッと叩いた。
「やめないよ!やめてほしいの?」
拓人はぎゅっと強く抱きしめてきた。
「嘘だよ。やめんなよ」
「・・・・うん」
私は小さく頷いた。
「約束してよ、ずっと一緒にいるって・・・
どんなことがあっても、
どんな時も、
ずっと離れないって・・約束して・・」
拓人は私の肩を押して、私の顔を覗き込んだ。
街灯の弱い光でも、
拓人の瞳がキラキラしていた。
「約束するよ
約束する・・・
約束・・・させてくれ・・・・・・」