「1/4の奇跡」左側の君に【完】
帰り道、
いつものように、拓人の左手を繋いで顔を覗き込んだ。
その度に、そっぽを向く拓人が、
いつも面白かった。
お昼前に学校が終わったから、
駅前のショッピングモールに寄って、
フードコートでお昼を食べることにした。
フードコートに着くと、うちの学校の生徒がたくさんいて、
他の学校の制服の子もいたりと、
席のほとんどが学生という状況だった。
「拓人は何食べる?」
拓人はぐるっと見回して、
「やっぱ・・・帰るか」と言い出した。
「え・・帰るの?」
ちょっとがっかりした時、ふと視線を感じて店内に目をやると、
うちの制服の女の子たちが、こっちを見ていた。
・・・なんか言われてる
拓人は帰るっていうし、女子にはコソコソされるし、
もう・・・最悪。。。
「あのさ・・・俺んち来る?」