「1/4の奇跡」左側の君に【完】
「えーーーーーー!!!」
「えーーーーーー!!!」
詩織と二人同時に驚いた。
「どうして・・・?」
莉子は、お腹を抑えた。
まさか・・・
「赤ちゃんが・・・できたんだ」
詩織と顔を見合わせた。
「マジ・・・で?」
「うん」
莉子は深く頷いた。
「彼氏は・・・もちろん知っているよね?」
莉子はまた頷いた。
「来年の4月4日が予定日だから、
彼氏が高校卒業したらすぐに結婚する。
私も彼氏も、進学諦めた。
彼氏は、就職するって」
莉子は、ポロポロと泣き出した。
「私・・・高校卒業したかった。
短大行って、幼稚園の先生か、保育士になりたかった。
いろいろ・・・やりたいことがあった。
今でもまだ、堕ろせる時期なんだけど、
でも・・・どうしてもそれは私にはできない」
両手で顔を覆って泣いている莉子。
隣から詩織が背中をさすった。
しばらく泣いていた莉子が顔を上げた。
「二人には、ちゃんと高校卒業して、
ちゃんと自分の将来を考えて行動してほしい。
私みたいにならないで・・・
エッチの先に何があるのか、
なんのためにするものなのか、
ちゃんと考えてほしい。
私は、ちゃんとわかってなかった・・・
でも、大好きな彼氏との赤ちゃんだから、
私は産みたい」